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さらさら

さらっと、さらさらと。サラリーマンがサッカーとかゴルフとかを語ります。

「優勝王手」、レスターイレブンの経験値が凄い。

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 サッカーファンは、いよいよソワソワしてきましたね。

 

 イングランドプレミアリーグは、4月25日の第35節で2位のトッテナム・ホットスパーウェスト・ブロムウィッチと引き分けたことにより、首位レスターとの勝ち点が「7」の状態で残り3節となりました。

 油断は禁物ですが、レスターとしては残りの3試合で勝ち点「3」を積み上げればトッテナムの結果に関係なく優勝が決まります。なおかつトッテナムは全勝、もしくは2勝1分けが絶対条件という非常に有利な状況です。言ってしまえば、よほどのことがない限りレスターが優勝するでしょう。

 まあ、レスターが優勝すること自体が「超よほどのこと」なので、「よほどのことがない限り」という言い方にも違和感をおぼえてしまいますが(笑)。 早ければ次節(アウェイのマンチェスター・U戦)で優勝が決まります。

 

 さて、現代のおとぎ話とも言えるレスター・シティの物語が完結へと近づく中、小さなクラブならではの様々なトピックスが取り沙汰されています。

 5年前まで工場で副業をしていた29歳のシンデレラストライカー、ジェイミー・バーディをはじめ、創設以来132年間優勝経験がないというクラブ史、プレミアリーグ20チーム中17番手という年俸総額の安さなどなど。

 そんなレスターの話題に事欠かない中ですが、この稿では「レスターイレブンの経験値」という側面を見てみたいと思います。

「年俸が低いとか、優勝経験がないとかはわかるけど、案外″昔は凄かった選手”が揃ってるんじゃないの?」そう思う方には是非、彼らの「経験値」を再確認していただきたいです。

 

どれだけ「やってきた」メンバーか?

 

まず、下記がほぼ固定されているレスター・シティスターティングイレブンです。 

GK カスパー・シュマイケル

DF ウェス・モーガン

DF ロベルト・フート

DF ダニー・シンプソン

DF クリスティアン・フクス

MF ダニー・ドリンクウォーター

MF マーク・オルブライトン

MF ヌゴロ・カンテ

MF リヤド・マフレズ

FW ジェイミー・バーディ

FW 岡崎慎司

(監督 クラウディオ・ラニエリ

 

 

 CL、ELという欧州の戦いに参加権がないことや、国内のカップ戦ですでに敗退していることもあり、ほぼこのスタメンを軸に戦ってきました。大きな怪我人も出ず、ターンオーバー制を敷かざるを得ないビッグクラブと比べて、この点が有利に働いたことは間違いないでしょう。

  

 そして下の一覧は、彼らスタメンイレブンのキャリアを通じてのプレミアリーグ実働年数と、4大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア)における1部でのリーグ実働年数(カッコ内)です。

 
シュマイケル(29) 実働3年目(3年目)
モーガン(32) 2年目(2年目)
フート(31) 15年目(15年)
シンプソン(29) 実働8年目(8年目)
フクス(30) 1年目(8年目)
ドリンクウォーター(26) 2年目(2年目)
オルブライトン 実働7年目(7年目)
カンテ(25) 1年目(1年目)
マフレズ(25) 2年目(2年目)
ジェイミー・バーディ(29) 2年目(2年目)
岡崎慎司(30) 1年目(6年目)
ラニエリ(64) 1部リーグ優勝経験なし(監督歴30年)

 

 

いかがでしょう。

経験豊富過ぎて涙がでそうじゃありませんか?

ダーマ神殿に行っても、ほとんどのメンバーがまだ転職できないくらいの経験値じゃありませんか?

 

 中盤から前はオルブライトン(代表歴なし)の実働7年目を除き、全員プレミアリーグ初挑戦もしくは2年目。ここまでリーグMVP級の活躍をしてきたバーディとマフレズ、そしてイングランド代表にも初選出されたドリンクウォーターの3人にいたっては、1部リーグで戦うこと自体も2年目というキャリアです。そんなメンバーたちが織りなす攻撃が、並み居る強豪マネー艦隊を次々に撃沈させてきたとは、痛快以外の何物でもありません。

 ワールドクラスのFWを相手に堅守を誇るベテラン揃いのDF陣(失点の少なさはリーグ3位)も、キャプテンのセンターバックモーガン(32)が、1部リーグ経験2年目というデータが泣かせます。

 チェルシーで若干17歳でデビューを飾り、ドイツ代表歴もあるフートは別格として、こうして見ると岡崎もレスターではトップレベルの経験値を持つエリートですね。マインツからの獲得時にチーム史上最高額の移籍金が支払われたことも納得できます。

 つまりレスター・シティは、1部リーグで順風満帆にキャリアを積んできた選手の集団ではなく、下部リーグ暮らしの長い選手たちを主力とする雑草集団なのです。

 

経験値とは何か?

 

 こうして見てみると、「経験値」とは一体何か?と考え込んでしまいそうです。

 私のような一般人の人生なら、日の当たらない場所で歯を食いしばり耐え忍ぶことも、長い目で見て「経験」と割りきれそうなものです。しかし、せいぜい十数年が現役のタイムリミットである超エリート社会のサッカー界では、ちょっと下部リーグで耐え忍んでいるつもりが、取り返しのつかない時間となってしまうこともザラです。

そういう意味では、それぞれの雌伏の時を経て、強い「雑草魂」を身に付けるという経験値を積んできた反逆児たちの集団。それが今のレスター・シティなのかもしれません。

 

 

 最後に、この反逆児集団を率いる知将、クラウディオ・ラニエリ(64)。これまで数々のビッグクラブを指揮し世界的に名の知られた監督でありながら、未だ1部リーグでの優勝経験がありません。

 最終節の対戦相手チェルシーは、アブラモビッチ氏のオーナー就任で、当時優勝を逃したラニエリプレミアリーグから追放したチームです。12年の時を経て、彼は同じブルーのユニフォームのチームを率いてスタンフォード・ブリッジに戻ってきます。それも信じがたい状況を生み出して…。無冠の指揮官の運命の糸は、この日に結びついていたのかもしれません。

   どんな日陰の日々だろうと、戦い続ければいつかそれを、いい経験だったと笑える日が来る。。。かもしれない。そう感じさせてくれるレスターの、ラニエリの「経験値」でした。

 

【了】

 

beamrivercity.hatenablog.com