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さらさら

さらっと、さらさらと。サラリーマンがサッカーとかゴルフとかを語ります。

今年のマスターズで見てみたい、最終日最終組④

ジョーダン・スピース & ローリー・マキロイ 組

 

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“タイガー後” の主役対決。

奇しくも3日目でこの組み合わせが実現しました。

 

21歳でマスターズを制したジョーダン・スピース選手、22歳で全米オープンを制したローリー・マキロイ選手。

28歳のジェイソン・デイ選手、27歳のリッキー・ファウラー選手とともに、新・ビッグ3、あるいは4という声もありますが、やはり若くしてメジャー複数回勝利を達成したこのふたりは特別な存在だと思います。

両者とも好調とは言えない流れでマスターズを迎えましたが、やはり実力者。大舞台では来るべきところに来ます。このふたりの対決こそが、新時代の覇権争いでしょう。

 

 

男気の人、ジョーダン・スピース

  昨シーズン、マスターズと全米オープンを含む5勝を挙げ、瞬く間に世界ランキング1位に上り詰めたジョーダン・スピース選手。フェデックスカップ(年間王者)、賞金王、パッティングスタッツでの1位と、一気にゴルフ界を完全制覇したかに見えるニューヒーローは、まだ弱冠22歳の若者です。

若さももちろん驚きですが、スピース選手を語る上で特筆したいのは、その人間性です。“男気溢れる心優しきヒーロー”。こんなふうに言うとそれなりの年かさを重ねた男性を想像しますが、二十歳そこそこでそう呼ぶに値する男、それがジョーダン・スピースです。

彼の男気を物語る、ふたりの人間との関係をご紹介しましょう。

 

 まずは7歳年下の妹エリーさん。彼女は自閉症のハンディキャップをもって生まれてきました。自閉症の子供と向き合っていくためには、家族には多くの忍耐が必要とされます。そのためにスピース選手の家族は一丸となってエリーさんを守ってきました。そんな守るべき愛する妹との日々が、スピース選手に物事を様々な側面から見る目を与えてくれたと言います。スピース選手の試合には、エリーさんがよく観戦に来ています。22歳とは思えない落ち着きや礼儀正しさは、エリーさんを守ってきた、そしてこれからも守っていくという揺るぎない想いが、この青年に優しさという強さを与えたからでしょう。彼はエリーさん同様にサポートが必要な子供たちのために、「ジョーダン・スピース・チャリティ基金」を設立しています。この若さにしてこうした活動ができるという人間性に、ただただ尊敬の念を抱くばかりです。

 そしてもうひとり、専属キャディのマイケル・グレラー氏との関係。グレラー氏は自らもシングルプレーヤーで、元・数学教師という異色の経歴のキャディです。2013年のスピース選手のプロ転向に合わせて誘いを受け、専属キャディとなりました。その際に教師の職を辞めたわけですが、なんと新居のローンを組んだばかりで、夫人との結婚式も延期しての決断でした。そんなリスクを厭わないグレラー氏の心意気に、スピース選手も結果で応えます。同年7月の「ジョンディア・クラシック」で初優勝を挙げ、ツアー出場資格を獲得。試合出場も不安定な状態から、一気に上を目指すチャンスを得ました。そして翌8月の「WGC-ブリヂストン招待」の出場権を得ます。WGC(世界ゴルフ選手権)は、メジャー大会に次ぐ位置づけの重要な試合で、獲得できるポイントも高くなっています。これから這い上がっていこうというスピース選手にとっては、是が非でも出場したい大会です。しかし彼は、このブリヂストン招待をあっさりと欠場します。なぜか。

それは延期になっていたグレラー氏の結婚式に出席するためでした(ブリヂストン招待は上位選手しか出場できないため、シーズン当初この週は休みになると考えて結婚式の日としていた)。ツアープレーヤーにとって重要な試合、それもルーキーイヤーで得た大きなチャンスを放棄して式に駆けつけたというところに、ふたりの絆の強さを感じます。お互いのために進んで犠牲を払える関係性なのでしょう。スピース選手はグレラー氏について、「兄弟のような存在」と話しています。そんなコンビが空前の成功を収めた2015年シーズンは、グレラー氏がツアーの最優秀キャディに選ばれるという最高の結末で幕を閉じました。

スピース選手のまわりには「人のために行動する」という、心意気の連鎖のようなものが生まれているのかもしれません。 タイガーほど勝つことは難しいかもしれません。それでも、タイガー後のヒーロは必要不可欠です。正統派のヒーローとして、アメリカのゴルフ界を引っ張っていかねばならない存在、ジョーダン・スピース。

すでに世界的なゴルフ界のアイコンとなっているマキロイ選手との対決は、まさしく世界一シビれるマッチアップです。今夜も眠れない…。

【了】