さらさら

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レスターは「格差社会」をぶち壊すか

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 イングランド・プレミアリーグで、岡崎慎司の所属するレスター・シティの優勝が、いよいよただの夢物語ではなくなってきました。

現地時間3月14日に行われたニューカッスルとの一戦を岡崎の劇的なバイシクルシュートによる決勝点で制し、続く19日のクリスタルパレス戦も1-0の勝利。7試合を残した時点で2位トッテナムとの勝ち点差は「5」。追ってくるのがユナイテッドやチェルシーといったビッグクラブでなくトッテナムだということも、「行けるんじゃないか!?」と思わせてくれる要因です。

 

チーム創設から132年間、優勝経験なし。

 

 世界最高峰リーグに属するチームを弱小というのも失礼な話ですが、開幕前、人類60億人の中で誰ひとりとして本気でレスターの優勝を予想ていた人などいなかったのではないでしょうか。申し訳ないけれど、創設から132年間優勝なしのチームです。降格候補ではあれど、彼らが優勝候補だという話を目にした記憶はありません。まさしくマンガのような話が進行中なわけです。

 

この上ないジャイアントキリングを 見てみたい。

 

 世はまさに“格差社会”絶頂です。

サッカーの世界も例外ではありません。1992年に創立されたプレミアリーグは、過去23シーズンの歴史を刻んできたわけですが、その中で優勝したのはたったの5チームです。内訳はマンチェスター・ユナイテッド(13回)、チェルシー(4回)、アーセナル(3回)、マンチェスター・シティ(2回)、ブラックバーン・ローバーズ(1回)。ブラックバーン以外はいずれも資金潤沢ないわゆるビッグクラブであり、「どんなチームにも優勝の可能性がある」とは言えないリーグです。

 たしかに過去1度ブラックバーンの優勝(1994-1995)はありますが、これはサッカー界が現在のような爆発的商業化を完成させる前の時代であり、オイルマネーによる他チームのドーピングも今とは比較になりません。いわゆるボスマン裁定(EU圏内選手を外国人枠にカウントしない)の前でもあり、ビッグクラブといえどもスター選手を集め放題というわけにはいかない環境でした。

 

 翻って今は20年前とは別世界です。莫大なテレビ放映権料とオイルマネーに代表される外国資本の流入により、サッカービジネスで動くマネーはまさしくケタ違いになりました。EU選手の国籍枠撤廃により、スタメンに自国選手がひとりもいないというチームも現れました。スター選手を獲得するための移籍金額は100億円を超え、札束で横っ面をはたくどころか、札束の城壁に囲い込むと言えるくらいの異常なスケールです。ビッグクラブは、中小のチームで抜きん出た活躍をした選手を翌年にはほぼ間違いなく資金力にものを言わせて獲得します。選手の獲得は資金力勝負、必然的にビッグクラブと持たざる中小クラブの戦力格差は埋めがたい構造になっています。

結果、ただでさえ数チームが持ち回りのように優勝争いをしている欧州のトップリーグは、その力関係がより強固に固定化され、下位チームは優勝など夢のまた夢という状況です。優勝したい選手はビッグクラブに移籍するしか方法がないと言っても過言ではないでしょう。

 そんな状況下でのレスター・シティの快進撃。20年以上サッカーファンで、なんだかんだ言いながらも結局はビッグクラブが好きな私から見ても、痛快というほかありません。ドリームチームやドリームカードがひしめくサッカー界に、「レスターが優勝しちゃった!」という、この上ないジャイアントキリングを是非とも見せてほしいです。

 

 そして来シーズン。uefaのアンセムが鳴り響くカンプノウバルセロナと対峙するレスターイレブンの、岡崎慎司の姿を思い浮かべると…、まさいく鳥肌モノです。4位マンチェスター・シティとの勝ち点差は「15」。チャンピオンズリーグ出場権はほぼ手中にしているわけですから、そんなシーンも決して夢物語ではないんです。

 

 強いチームとは何か。 

それはスター選手の数でも、華々しい歴史でもなく、今この時に質の高い、勝てるサッカーをしているチームのこと。ビッグクラブがいずれも自滅する中、そんなスポーツの当たり前を再確認させてくれたレスター・シティ。彼らにとって100年、もとい133年に1度あるかないかのチャンス、絶対に掴んでほしいと願っています。

 

【了】※敬称略

 

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